重い荷物を何度も荷室から出し入れする作業に、負担を感じたことはありませんか?
現場作業車やアウトドア仕様の車両では、荷室の使いやすさがそのまま作業効率や快適さにつながります。
そんな中、注目されているのが「スライドフロア」というカスタムパーツです。
引き出し式の床板を使うことで、荷物を奥まで積んでもスムーズに取り出せるため、職人や配送業の方を中心に使われています。
この記事では、スライドフロアとは何かを中心に、よく使われる車種やメリット・デメリット、どんな人におすすめかわかりやすく解説します。
スライドフロアとは?
スライドフロアとは、車の荷室に設置することで荷物の出し入れをスムーズにする、専用の引き出し式フロアのことです。
これまで床に直接置いていたものを前後に移動できるようになるイメージです。
スライドフロアを使えば、荷室の奥に置いた重い荷物でも引き出すだけで簡単に手前に運び出すことが可能です。そのため、積載作業の効率が大きく向上します。
スライドフロアは、作業効率・積載性・車内整理のすべてを向上させるカスタムパーツとして扱われています。
スライドフロアが使用される車種とは?
スライドフロアは、主に商用車や荷室が広い車種で活用される装備です。
荷室スペースが大きい車両ほど荷物の出し入れが大変で、スライドフロアの利便性がより発揮されます。
特に、業務用途やアウトドア用途では、車内の積載効率が作業効率に直結します。
具体的には、以下のような車種での使用が一般的です。
- ハイエース
- キャラバン
- 軽バン
それぞれ解説します。
ハイエース
ハイエースはスライドフロアを利用できる代表的な車種です。
多くの積載量があり、カスタムの自由度も高いことから、現場作業車やキャンピングカーとしても人気があります。
荷室の奥行きがあるため、スライドフロアを導入することで工具や資材、キャンプ用品などの取り出しが飛躍的にラクになります。
販売されているスライドフロアの多くはハイエースに装着する設計で作られていることが多いです。
TKP-スライドフロアで製作しているスライドフロアもハイエース仕様となっています。
キャラバン
キャラバンもスライドフロアとの相性がよい商用バンです。
日産のキャラバンは、ハイエースと並ぶ業務用バンの定番。
収納力と積載安定性に優れており、スライドフロアを装着することでさらに作業効率が高まります。
若干ではあるものの、ハイエースよりも低い価格設定となっています。
DIY施工される方も多く、カスタムベースとしても人気です。
軽バン
軽バンにもスライドフロアが使用されることがあります。
軽バンは配達業に利用されることが多いですが、スライド式にすることで奥の荷物も簡単に引き出しやすくなります。
スライドフロアは積載効率を求める方におすすめです。
スライドフロアを利用するメリットとは?
スライドフロアはメリットが豊富です。
スライドフロアが利用できる車種に乗っているのであれば、活用をおすすめします。
- 重いものの取り出しがスムーズになる
- 荷物を奥まで積んでもラクに取り出せる
- 車内の荷物が整理しやすくなる
- 体への負担が軽減される
上記の4つを解説します。
重いものの取り出しがスムーズになる
スライドフロアを導入すれば、重量物でも引き出して持ち上げられます。
- 電動工具
- 水タンク
- 木材
重量のあるものを積む大工や現場仕事の方にとっては大きな利点です。
荷物を奥まで積んでもラクに取り出せる
フロア全体が引き出せることで、荷室の奥行きをフルに活用できます。
キャンプ用品や大型資材などを奥まで詰め込んでも、必要なものを素早く取り出せます。
ラゲッジスペースに乗り込んだり、リアドアを開けて荷物を出さなくてもよくなるので、取り出しがラクになります。
車内の荷物が整理しやすくなる
ハイエースのように荷室が広ければ、たくさんの荷物を置けてしまうため、散らかってしまう可能性があります。
しかし、スライドフロアを使うことで、荷物の出し入れがラクになり整理もしやすくなります。
いらないものを車の中に入れっぱなしにすることも少なくなるでしょう。
体への負担が軽減される
車から重い荷物を取り出す場面は多々ありますが、荷物の大きさや駐車場のスペースなどによっては体に負担となることもあるでしょう。
スライドフロアの導入により、中腰での作業や無理な体勢での荷下ろしが減ります。
腰痛や疲労の軽減に直結し、毎日の積み降ろしが格段に楽になります。
スライドフロアを利用するもっとも大きなメリットといっても過言ではありません。
スライドフロアのデメリットとは?
一方で、スライドフロアにはデメリットも存在します。
- 価格が高い
- ベッドキットと併用できない場合がある
- 品質によっては音やガタつきが出る
上記の3つを考慮し、利用を検討しましょう。
価格が高い
スライドフロアを使用する場合、購入するのが一般的です。
大工や溶接工などの職人であれば自作可能ですが、スライドフロア1台のために、設計し、材料を集め、製作するのはかなり手間になるため現実的ではありません。
10万円以下で買えるものもありますが、中には数十万円の高価なスライドフロアも存在します。
製造元によって構造や設計、強度に違いがあるため、価格が製品に見合っているか見定めなければなりません。
ベッドキットと併用できない場合がある
車中泊やキャンピングカーとして使用するために、荷室にベッドを取り付けられるのがベッドキットで、ハイエースなどのワンボックスカーのパーツとして非常に人気です。
スライドフロアとベッドキットは基本的に併用できますが、違うメーカーのパーツ同士を購入してしまうと干渉し合うことで併用できない場合があります。
品質によっては音やガタつきが出る
ネットで購入できるスライドフロアは、DIYの延長線上で品質にバラつきがあります。
- 一切溶接がなく、ネジで止めるだけ
- 取り付けやすいが強度が低い
- 引き出しがうまく止まらない
- 走行中にガタガタと音が出る
スライドフロアを購入する前に品質や強度に問題がないか、慎重に選びましょう。
まとめ:荷物の積み下ろしにはスライドフロアが便利
スライドフロアは荷物の積み下ろしをラクにしてくれる便利なパーツです。
自作することが難しく、ネットで購入できるスライドフロアは金額や品質にバラつきがあります。
スライドフロアを購入する際は、自分に合ったものを選びましょう。